『人を動かす』を読んで気付いた、外資コンサルでの失敗談【D・カーネギー】

こんにちは。ハルです。

D・カーネギー『人を動かす』という本をご存知でしょうか?

「人を動かすためには」「人に好かれるためには」「幸福な家庭をつくるためには」などについて書かれれた名著です。

20年以上前に発行された本でありながら、多くの経営者・リーダーに愛されています。

私もこの本を何度も読みましたが、人を動かす難しさ・奥深さを実感しています。

この本にある「人を動かす三原則」について、自身の失敗談を交えて解説します!

盗人にも五分の理を認める

凶悪殺人犯”2丁ピストルのクローレー”は処刑される直前、以下のように話しました。

「自分の身を守っただけで、こんな目にあわされるんだ」

このような「自身が悪いとは、全く思っていない」犯罪者は珍しくありません。

この傾向は犯罪者だけでなく、多くの一般人にも当てはまります。

あら探しは相手の心を遠ざけ、改善の機会すらも奪います。

また自尊心を傷つけられた相手は、必ず復讐心をいだくでしょう。

人の悪口は決していわず、長所を褒めること」が交渉の秘訣だそうです。

【結論】批判も非難もしない。苦情もいわない。

私の失敗談

プロジェクトが終了し、次の参加プロジェクトが決まるまでの待機期間を”アベイラブル期間”と呼びます。

私の所属部署では、アベイラブル期間中は試験勉強を命じられました。

資格勉強とのことですが、出社する意味ってありませんよね?勉強の効率化のためにも、在宅勤務を申請します。

アベイラブル期間中の在宅勤務は認められていません。

なぜですか?実際に2週間出社しましたが、急な仕事を振られるわけでもありませんよね?次のプロジェクトが決まったときにも対応できるよう、メールは常に確認します。

ルールなので従ってください。

「ルールを守る」に固執した思考停止の返答に、納得できませんでした。

部署として資格保有者増加を目指しているにもかかわらず、非合理的なルールを敷く意味が分かりません。

しかし上記の「盗人にも五分の理を認める」を読んだあと、人事の真意に気づきました。

(非合理的なルールであっても)例外を認めれば、それに追随する人が出てきます。

その人たちの管理 or ルール変更を行う動機が人事にはなく、現状を維持したほうがラクだということです。

心理学的にも、今の状態を保ちたいと考える”現状維持バイアス”という心理傾向があります。

重要感を持たせる

人が最もほしがるのに、なかなか満たすことができないもの。

それは”自己の重要感”(重要人物たらんとする欲求)です。

リンカーンの著書に「人はだれしもお世辞を好む」とありますが、その本当の意味は知られていません。

英国王ジョージ五世は、お世辞を以下のように定義しました。

「相手の自己評価にぴったり合うことをいってやること」

【結論】率直で、誠実な評価を与える

私の失敗談

あるプロジェクトにて、Aさん(中国人の同期)と共に業務を行っていました。

次の会議にて、ハルさんは議事録・Aさんはプレゼンを行ってください。

プロジェクト参加以降、私がずっと議事録を担当しています。プレゼンは非常に得意でして、私にやらせていただけませんか?

Aさんは中国人だから日本語の練習ということで・・・
日本人のハルさんは、Aさんより議事録が得意でしょう?

実際はAさんの方が議事録が得意でした。(のちに判明)

私は決して議事録が得意ではありません。

自己評価とかけ離れたお世辞を言われ、ただ仕事を押し付けられたように感じました。

特にそのプレゼン資料は私が作成したものであり、思い入れが強かったのです。

これをきっかけに仕事のモチベーションを落としてしまいました。

のちに別の上司より「議事録しかやっていない」と評価を受け、プロジェクトから外されました。

人の立場に身を置く

自動車王ヘンリー・フォードは、以下の名言を残しています。

「成功に秘訣というものがあるとすれば、それは相手の立場を理解し、自分の立場と同時に、相手の立場からも物事を見ることのできる能力である。」

これは相手の心を操り、自分が利益を得られるように仕向けることではありません。

双方の利益にならなければ、相手の立場に身を置くことにはなりません。

ウィリアム・ウィンターは「自己主張は人間の重要な欲求のひとつである」と言っています。

素晴らしいアイデアを思いついたときは、相手にそのアイデアを思いつかせるように仕向けるのです。

【結論】強い欲求を起こさせる。

私の失敗談

社内ビジネスコンテストの運営プロジェクトに参加していたときのことです。

ビジネスコンテスト優勝賞品として、ギフトカタログ(カタログ内の商品を、自由に選べる権利)1万円分を贈呈する話が持ち上がりました。

いや、アマゾンギフト券でいいでしょ。ギフトカタログって誰得なんですか?

このビジネスコンテストは「障害者支援」って名目があるから。このギフトカタログの商品は障害者施設で作られていて、関連付けないとダメだから。

そんなこと優勝者にとってはどうでもいいことでしょ。ビジネスコンテストの案も、障害者支援と全く関係ありませんよね。

上の命令だから。これは決定事項だ。

(決定事項なんだったら、最初から言えや)

普段は「顧客ファースト」という、言動不一致な上司への不信感。

実際にギフトカタログを渡す係になった、自身へのもどかしさ。

そんなわだかまりを抱えたまま、プロジェクトを終えました。(今回は任期満了です)

プロジェクトの振り返りでこのやりとりを取り上げたところ、上司から返信が届きました。

お前は”個別最適”しか考えていない。プロジェクトリーダーの俺は、”全体最適”を考えているんだ。

「人を動かす」を読み、上司の言い分にも一理あると気付きました。

私の案は優勝者を喜ばせるかもしれませんが、ビジネスコンテスト主催者の役員に意に沿うものではありません。

「世の中きれいごとでは回らない」ことを、自身の無力さとともに知ったプロジェクトとなりました。

参考文献

  • D・カーネギー『人を動かす』 創元社 (2016/1/20)