【書評】「GIVE&TAKE」を読んで分かった、”成功するギバー”になる条件

こんにちは。ハルです。

先日、以下の本を読み終えました。

メンタリストDaiGo・キンコン西野ら、多くのビジネスインフルエンサーが紹介している一冊です。

「人生を成功に導くには、ギブ(与える)の精神が大事」とよく聞きますが、私は懐疑的に思っていました。

「他人に自分のお金や時間を与えて、メリットあるの?」そんな疑問を、解き明かします!

ギバー(与える人)とテイカー(奪う人)、どちらが有利?

本書では人々を「ギバー(与える人)」「テイカー(奪う人)」「マッチャー(バランスを取る人)」に分類しています。

以下でそれぞれの特徴について解説します。

◆ギバー

ギバーであっても「ひたすら他者に与えるだけの、気の良い人」だけありません。(詳細は後述)

見返りは関係なく、先に人に与える」という志向を持っています。

目的としてテイク(利益を得る)のではなく、行動の結果として得をするのです。

◆テイカー

テイカーであったとしても「人のお金や時間を根こそぎ奪う、傍若無人な人」とは限りません。

自分の利益”を第一とする行動・思考をとるため、「手段としてギブする」 戦略も積極的に取るのです。

行動の順序としては「テイク⇛(手段としてギブ)⇛テイク」となり、「どうすれば自分の利益が最大になるか」を考えます。

◆マッチャー

人間関係の損得は、五分五分であるべき」と考え、ギブ&テイクのバランスを取ろうとします。

「ギブとテイクのどちらが先」といったことは考えず、「恩を受けたらすぐにお返ししよう」という行動を取ります。

ギバー vs テイカー vs マッチャーの調査結果

結論として「最も成功できないタイプはギバーである」という調査結果が示されています。

本書では「エンジニアの生産性・販売員の売上」などが紹介されていますが、いずれもギバーが最下位の成績でした。

一方で「最も生産性の高いエンジニア・売上の多い販売員・成績の良い医学生」にも、ギバーの特徴が見られたのです。

上記の結果から著者は「ギバーの中にも、”成功するギバー”と”それ以外”に分かれるのでは?」と考え、その特徴を調べました。

「成功するギバー」の特徴

「自己犠牲」ではなく「他者志向」

冒頭の「自分の時間・お金を、他人に与える」ことは、自分の利益をなくす行為です。(基本的にはデメリット)

この「他人の利益」と「自己犠牲」を天秤にかける思考は、”成功できないギバー”に見られた特徴なのです!

成功するギバーは「他者志向」を持っており、「どうすれば全体の利益(取り分)が増えるか」を考えます。

具体的には、以下のものを他者に与えるのです。

「ギバーが与えるもの」違い

  • 【成功するギバー】は”情報的・社会的リソース”を与える
    (例)情報的:専門知識・技術、社会的:意識・立場
  • 【成功できないギバー】は”個人的リソース”を与える
    (例)その人が持つ、時間・お金・エネルギー

情報的・社会的リソースは一度与えるだけで十分ですが、個人的リソースは有限かつ継続的に与える必要があります。

自分にとって意義があり、楽しめるもの」を与えるのが、成功するギバーなのです。

途上国支援で話題になる「魚を与えるか、釣り方を教えるか」と同様の考え方です。

テイカーを見分ける3つのポイント

3万人以上の異なる国籍・人種を対象とし、ギバー・テイカー・マッチャーの割合を調査しました。

  • ギバー:16%
  • テイカー:25%
  • マッチャー:56%

「情けは人のためならず」という文化の根強い日本では、ギバーの割合は上記よりも大きいでしょう。

一方で少数派ながらも、テイカーの存在は無視できません。

この章では「テイカーに搾取されないための予防策」として、テイカーの見分け方を解説します!

SNSのプロフ写真を見る

以下写真の人物のうち、片方はギバーでもう片方はテイカーです。予想してみてください。

「テイカーは利己的」という特徴は、先ほどお伝えしたとおりです。

上記に加え「自分を優秀な人間とみなし、自己顕示欲が強い」という特徴もあります。

2人は別会社のCEOですが、年次報告書に上記の写真を使っています。

では次に「この写真が年次報告書で、どのように使われているか」も確認します。

左のCEOは小さく表示され、右のCEOは顔写真に1ページ使われています。

答えは左がギバーで右がテイカーです。テイカーは「自分はすごい」アピールに命を懸けています。

テイカーはナルシスティックで、実物以上によく見える自分の写真を投稿します。

言動に着目する

みなさんは、以下のキーワードに「ピン!」ときますか?

  • 人の関心や賞賛が欲しい
  • 注目の的になりたい
  • 尊敬されたい、優越感を感じたい

上記はテイカーが求めるものそのものです。

付き合う相手がテイカーかどうかを見分けるためには、言動に着目するのが有効です。

テイカーの特徴

  • 三人称の代名詞(私たち)より、一人称の代名詞(私)をよく使う
  • 話す内容が「自分自身のこと」に偏る(相手への関心を寄せない)
  • 押し付けがましく、自己中心的で、傲慢な印象を受ける

「なんかこいつイヤ」と感じたら、そっと距離を取りましょう。

「愛想の良さ」ではなく「相手の真意」を見抜く

先ほど「テイカーは手段として、ギブすることもありえる」と説明しました。

この「手段としてのギブ」には、”愛想の良さ”も含まれるのです。

「愛想の良さ」は遺伝的要因(30~50%)も大きく、ギバー・テイカーを見分ける手がかりにはならないのです。

(本書では「無愛想なギバー・愛想のいいテイカー」のエピソードが紹介されています。)

相手の真意を見極めること(お互いの利益を考えてくれているか)が、愛想のいいテイカーへの防御策となりえます。

なお研究では「ギバーはマッチャー・テイカーより、直感的に相手の真意を見極められる」ことが分かっています。

上記を踏まえ次章では、「あなたがギバーになるためには」について解説します!

「成功するギバー」になるための、3つのアクション

「5分間の親切」を行う

「自分には、人に与えられるものなんて無い」と思われる方も多いかもしれません。

先ほど「成功するギバーは”情報的・社会的リソース”を与える」話をしましたが、他にもおすすめのものがあります。

それは「人を良い気分にさせる、”5分間の親切”」です。

「5分間の親切」例

  • 微笑む、あいさつをする
  • 相手への質問をする
    (例)釣りが趣味の相手に対し「釣りと出会ったきっかけはありますか?」
  • 人と人を繋げる
    (例)相手の困りごとを、解決できる人を紹介する

ポイントは”誰に対しても”、”自ら率先して”行うことです。

このような行いがギバーの評判を向上させ、結果的に得する仕組みとなっているのです。

アドバイスを求める(アドバイス・シーキング)

人に好かれる行動として、「アドバイスを求めること(アドバイス・シーキング)」が挙げられます。

最近の調査では「立場が高くなくても、人に影響を及ぼすための方法」として注目されています。

具体的には、以下のようなアクションをイメージしてください。

  • 同僚、上司、部下に仕事のコツを聞く
  • セミナー、習い事などで積極的に質問する
  • SNSなどで、フォロワーに対してアンケートを取る

これらのアクションを全く取らない人より、取るほうが人に好印象を与えることが分かっています。

その理由は「人間は自分のリソース(時間・エネルギー・知識)を誰かに使うと、相手のことが好きだ」と錯覚するためです。

この現象は、心理学でいう「認知的不協和」で説明できます。

【認知的不協和】自分の行動・発言が矛盾しているとき、その不快感を解消するために認知を書き換えること

  1. 「この人のために尽くしてる」
  2. 「好きでもない人に、自分のリソースを使うのはおかしい」
  3. 「ということは、自分はこの人のことが好きなんだ」

アドバイスを求められて相手を助けた人の脳内は、上記のようになっています。

本来と逆のプロセスですが、その効果は多くの研究が示しています。

行動を習慣化し、「アイデンティティ」と認識する

「学生は思いやりが大切」と考えたハーバード大学の学部長は、学生に以下の制約にサインを求めました。

「ハーバード大学入学にあたり、すべての学生が豊かになれる、思いやりにあふれる場所にすることを誓います。」

結果として、この政策は大失敗に終わりました。

「自身はギバーである」宣言したことで、実際にギブする行動に移す必要を感じなくなったためです。

多くの心理学の研究から、これと正反対のアプローチが良い影響を及ぼすことが分かっています。

つまりは「最初に人々の行動を変えることで、信念はあとからついてくる」のです。

先ほどの認知的不協和の話と同様に、行動と信念を一致させようとします。

  1. 最初にギブする
  2. 「ギブをするということは、自分はギバーでないとおかしい」と考える
  3. ギバーとしての性質・行動がより強化される

自身の選択によって繰り返し人に与えると、与えることを自身の個性と認識するようになるのです。